おひつ

キーワード解説
飯櫃(いいびつ)のこと。炊き上がった粥や飯を入れるための円形あるいは楕円形の食器で、めしびつ、おはち、飯詰(めしづめ)などともいう。

おひつの歴史
昔からの生活道具として有名ですが、なんと平安時代末期に成立した古辞書「色葉字類抄(伊呂波字類抄)」に、すでに飯櫃の名が掲載されており、古代より椀(わん)によそう前の容器として使用されていたことが分かっています。その多くは、木製、金属製で漆が塗られていました。現代でも寿司桶などに見られる白木の桶のようなタイプのおひつは、中世以降に出現したと言われています。さらに近世になると、地方によりさまざまな名称で呼ばれるようになり、関西地方など材質によって呼び分けている地方もあります。

おひつの主な特徴
昔ながらの木製のおひつには、下記のような特徴があります。
・炊き立てのごはんの余分な水分を吸い上げる。
・木の「呼吸」する性質により、ご飯の湿度を程よく調整。
・木の香りで、ご飯の美味しさがさらに引き立つ。
・自然の殺菌力が高い。


木製のおひつには、炊きたてのご飯の余分な水分を吸い取ったり、ご飯が冷めても乾燥せず、つやのあるふっくらした美味しさを保てるというメリットがあります。残ったご飯を、常温のまま一晩置いておくことも可能です。温めて食べたいときは、お茶碗によそってから温めましょう。
なお、木製のおひつには、さわらやひのきといった材質がよく使用されています。
中でも、「木曽さわら」のおひつは一級品と呼ばれています。

現代でも人気のおひつ
現代ではほとんどの炊飯ジャーに保温機能がついているため、昔に比べて、おひつの出番は減っていると思われます。でも、おひつ自体に保温機能はないですが、美味しくご飯を保存できるという点に関しては、全く炊飯ジャーに負けていないため、今でも愛用されている方はたくさんいらっしゃいます。

最近では、木製のおひつ以外に、プラスチック製のものやセラミック、陶器など、新しい素材の物も増えています。おひつのまま温めたたり、お手入れが簡単なものがよいという方には、セラミックのおひつがおすすめです。プラスチックと違って微細な気孔が無数に空いているため、水蒸気をほどよく吸収し、べたつきを防ぎます。ご飯が乾燥すると逆に、水分を補給し乾燥を防ぐという、木製のものと同じような機能を持ちます。また、そのまま電子レンジで温めることが出来るのも魅力です。

今回の記事に登場したアイテム
セラミックおひつ 桜柄(アーネスト株式会社)