ククサ

キーワード解説
北極圏に位置するラップランドの遊牧民サーミ人に古くから伝わる、白樺のコブ(節瘤)をくり抜いて作られる木製のマグカップ。使う人の幸せを願いながら一つひとつ手作りされたもので、ククサを贈られた人は幸せになる と言い伝えられている。


サーミ人ってどんな民族?

サーミ人の居住地域であるラップランドは、スカンジナビア半島北部で、ノルウェー、スウェーデン、フィンランド、ロシアの4か国領にまたがっています。このため、サーミ人の公用語はサーミ語ですが、ほとんどのサーミ人がスウェーデン語、フィンランド語、ロシア語、ノルウェー語なども話せます。もともと狩猟・遊牧を行なう民族で、寒冷気候に耐えられる動物であるトナカイとともに移動し、トナカイの厚い毛皮をまとったり、テントの中に敷くなどして、極寒の自然の中で暮らしてきました。ちなみに、映画『アナと雪の女王』の舞台はラップランドがモデルで、登場人物の一人であるクリストフの設定は、サーミ人とされています。

ククサは一生もののマイカップ

「ククサ」はサーミ語で、「飲み物の源」や「カップ」という意味です。昔のサーミ人は、ククサと木製のナイフを肌身離さず、遊牧生活を営んでいたそうです。昔ながらの製法で作られたククサは、一生物として使えるほど丈夫なものでした。子供時代には離乳食やミルクを入れるのに使い、大人になってからはコーヒーやお酒などの飲み物を入れるのに使うというように、一生使えるマイカップだったのです。

現代のククサ
最近は北欧ブームや、アウトドア雑誌の特集でも取り上げられるなど、ククサが注目されることも増えてきました。ただ、本来のフィンランド製ククサは、10年から30年かけて育った白樺の木のコブを採取してくりぬいて作る貴重な伝統工芸品のため、日本で手に入れることはかなり難しいです。現代のククサには白樺のコブ材に替わって、ハンノキ、マカバ、杉といった素材で作られたものがあります。特にハンノキはスウェーデン製のククサに多く見られます。ハンノキというと、ケルト民族や、ゲルマン民族の伝承で、妖精の国へ続く道を守る木とも言われているので、お守りや贈り物としても良さそうですね。コブ材と比べて手入れもしやすく、リーズナブルで丈夫な木質なので、カップの素材としておすすめです。

今回の記事に登場したアイテム
ククサ マグカップ(Scandinavisk Hemslojd社)